アカウントって何?Microsoft TeamsとGoogle Classroomとは?〜GIGAスクール構想で知っておきたい基礎知識

GIGAスクール構想により、2020年度中には多くの小中学校で1人1台のPCが整備される予定です。整備される可能性があるPCは、Windows PCかChromebook、iPad(詳しくは前回の記事参照)。これに伴い、PCのOSのタイプに応じてMicrosoft、Google、Appleのいずれかの教育機関向けアカウントが教員、児童生徒共に付与されるのが一般的です。このアカウントっていったい何なのか?さらに、よく名前の出るMicrosoft TeamsとGoogle Classroomっていったい何なのか?について、わかりやすくご説明します。

アプリを店頭で購入していたのは昔の話

MicrosoftもGoogleもAppleも、それぞれ自社でたくさんのアプリを提供しています。

昔のPCの場合、アプリは店頭で箱に入って販売されていてそれを購入してCD-ROM等からインストールして使うというスタイルでしたが、今は違います。PCにインストールするタイプのアプリは、インターネット経由でダウンロードするのが一般的です。ちょうどスマートフォンにアプリをインストールしたり削除したりするのと似たような感覚です。

さらに最近では、アプリもデータも「クラウド」で管理することが増え、PCにインストールせずにウェブブラウザ(インターネットを見る時に使う画面)でアクセスして使用するウェブアプリが増えています。(前回記事参照

アカウントって何?

アプリ自体がオンラインでつないで使うことを前提に作られている場合がほとんどなので、アプリを管理するときに重要なのがアカウントです。アカウントというのはサービスやアプリの利用者を識別するIDとパスワードのこと。自分のアカウント(IDとパスワード)でサービスやアプリにサインイン(ログインともいいます)することで、システムに誰が使いに来たかを知らせ、自分の利用履歴を残したり登録済みの設定を呼び出すことができます。

例えばショッピングサイトにサインインして自分の設定を呼び出して買い物をするのと同じように、学習に使うアプリも自分のアカウントでサインインして使います。アプリ1個1個すべて別のアカウントが必要だと大変ですが、GoogleのアカウントがあればGoogleのアプリ群、MicrosoftのアカウントがあればMicrosoftのアプリ群、AppleのアカウントがあればAppleのアプリ群を利用することができます。さらに、教育機関の場合は、いくつかのアカウントを安全に連携させて、1個のアカウント情報(ID、パスワード)で複数の異なるサービスを使えるようにする「シングルサインオン(SSO)」と呼ばれる方式を管理者側で設定している場合もあります。

GIGAスクールによる1人1台のPCは、クラウド環境(前回記事参照)で使うことが前提ですから、自分のアカウント情報(ID、パスワード)を大切に扱うということも学びの一部になります。毎回鍵のかかったロッカーを自分で開けて使うようなイメージです。

TeamsとClassroomって何?

学校の話題でよく名前の出てくる「Mirosoft Teams」、「Google Classroom」というアプリは、教育現場に最適化されたコミュニケーションのためのアプリです。どちらもグループ掲示板機能や、資料の共有、課題のやりとりなどの機能を備えています。同じ会社から出ている他のアプリとの連携作業がスムーズにできるようになっていて、アプリ間を自在に行ったり来たりするつなぎ役のような役割もします。

図中の「Teams」と「Classroom」以外はアプリ名ではなくアプリの用途

Microsoft TeamsとGoogle Classroomの機能をていねいに見ていくと、操作感や機能の区分は違うものの、ユーザーが「できること」には、あまり大きな違いはありません。なお、図には入れませんでしたが、Appleにも授業素材や課題のやりとりに便利な「スクールワーク」というアプリがあります。

Microsoft 、Google、Appleのアプリ対応表

各社の代表的なアプリを具体的なアプリ名で用途別に分類しておきましょう。「いろいろなアプリの名前があってわけがわからない!」と思ったときはこの表を参照してください。アプリ名は、例えば表計算ならば「Microsoft Excel」「Google スプレッドシート」というふうに社名を頭につけて呼ぶこともあります。

GoogleとMicrosoftとAppleのツール対応表

「Microsoft、Google、Appleのどれがいいの?」と思うかもしれませんが、以上のように、3社とも同様の機能を備えたアプリを提供しています。どれか1社に決めようとこだわることもないですし、たくさんのアプリを全て使えるようにならなければいけないと思う必要はありません。学校ごとにどの会社のサービスを中心に使うかは決まると思うので、自分の学校でメインに使うことになった会社のアプリのうち、自分が使いたい用途のアプリからひとつずつ使い慣れていけばよいでしょう。

同じ学校内では、用途ごとになるべく全体が同じアプリを使うようにした方が、元ファイルの交換や共有の利便性が高まります。その点では、組織の環境に合わせて使うアプリを統一するとメリットがあるでしょう。同じ会社のアプリ同士は操作感が似ていて、同じ用途のアプリ同士は機能が似ていますから、習得する際のヒントにしてください。

狩野 さやか

株式会社Studio947のライター、ウェブデザイナー。技術書籍の他、学校のICT活用やプログラミング教育に関する記事を多数執筆している。著書に「デジタル世界の歩き方」(ほるぷ出版)、「ひらめき!プログラミングワールド」(小学館)、「見た目にこだわるJimdo入門」(技術評論社)ほか。翻訳・解説に「お話でわかるプログラミング」シリーズ(ほるぷ出版)。

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