新年STEMの集いで盛りだくさんのLTとワークショップ
新年明けて間もない1月3日に「STEMersFES 2020 〜教育 と STEM を楽しむ新年会〜」が開かれ、LT(ライトニングトークと呼ばれる短いプレゼンテーションのこと)とワークショップで参加者が交流を深めました。
学校現場や企業でSTEM教育に関わっている参加者によるLTでは、全体で16名が次々に発表し、様々な立場から見たSTEMについての話や、各現場での実践の紹介がありました。
なかでも、子ども達がプログラミングを体験することで、技術を利用する側から、技術を使う側の視点になれるという話が、印象的です。
「(観察者的に)音が鳴る、光る、動くを楽しむのではなく、(能動的に)鳴らす、光らせる、動かす側への視点の転換」と表現したのは佐藤正範先生(東京学芸大学附属竹早小)。また、簔手章吾先生(小金井市立前原小)は、「プログラムをしたドローンを動かす瞬間に子どもたちが動いて!と祈るのは、技術の『使い手』だからこそ」と話しました。
確かにプログラムを作って動かそうとしているときやうまくいかなくて原因を特定しているときなどは「これならどう?」「こっちか」「違うの?」「動け!」などと対話したり祈ったりしていることに気づきます。
ワークショップでは、GIGOというmicro:bitをセットできる制御コアやブロック、センサー系パーツ類の紹介が、特定非営利法人東京学芸大こども未来研究所からありました。
実際にこのGIGOとmicro:bitを使って、グループごとに授業でできそうなアイディアを考えつつその作品を実際に作ってみるのがワークショップのテーマ。micro:bitに慣れている参加者も多かったせいか、短時間でけっこうな勢いである程度のところまで動くプロトタイプや実際に動く作品ができあがっていきました。どんな課題解決や授業シーンで使うかという想定も先生ならではのアイディアが出てきます。
さまざまな立場からの発表とワークショップに加え懇親タイムが設けられ、充実した時間となりました。
私はイベントに取材で行くことが多いのですが、今回は参加者の立場で、LTも行いました。
子ども向けのプログラミングツールの概要をお話しし、学校で使うツールを選ぶときには、
・現状の学校の環境からスモールステップで始められるもの
・シンプルなセッティングでできるもの
をポイントにすることをおすすめしました。
Studio947が運営する「知りたい!プログラミングツール図鑑」はツールを探す基準ががたくさん用意してあるのでぜひ活用してみてください。
今年の4月から小学校で新学習指導要領が全面実施となり、プログラミングが小学校の現場にも入っていきます。LTでも触れましたが、プログラミングは「もの作り」の手段であり、今の「もの作り」は形のあるものばかりではなく、ソフト的に世の中の仕組みそのものを作ることでもあります。これから子ども達が出会うプログラミングはほんの入り口だとしても、大きな意味で「世界を変える力」があるということをメッセージとして伝えていければと思います。
新しい1年、自分の足元からできることを皆さんで一歩一歩進めて行きましょう!