さぁ野外活動! 10台以上のタブレットをどう運ぶ? ストラップは?ーこれからの注目は周辺グッズ

学校現場にタブレットの導入が進もうとしている今、注目したいのが、その周辺グッズです。

以前も紹介した『JAPET&CEC成果発表会 平成26年度「教育の情報化」推進フォーラム』の発表の中に、移動教室での班行動にタブレットを利用した事例の発表がありました(世田谷区東玉川小学校 新村出校長発表)。

宿泊の移動教室で、班ごとにタブレットをひとつ持ち村めぐりをします。タブレットで見つけたものの写真を撮りリアルタイムで写真にコメントをつけて登録し、村めぐりノートを作っていくというものです。クラス全員で行列して村めぐりをするよりもはるかに発見が多く、自主的な動き方やコミュニケーションを誘発し、大変成果があったということでした。

今回この実践の詳細は掘り下げませんが、この事例で注目したいのが、タブレットが学校現場に導入されることによって必要になる「意外と大変なこと」です。

先生自作のタブレットケース

まずはケースです。野外で3時間にわたる活動。小学生が手でタブレットを持ち続けるのは、現実的ではありません。タブレットを首から下げて移動しながら使用できるケースが必要となり、なんとこの学校では先生が、100円ショップの透明ケースと、段ボールやスチロール紐などを組み合わせて手作りで首下げケースを作ったそうです。

こういうものを先生が自作するところが、学校らしくて大好きなのですが、予算が出るなら、時間的コストをかけずに割り切って、専用品を購入してしまうのもよいでしょう。

これから注目したい周辺グッズ

昨年の「教育ITソリューションEXPO」で見つけたのはサンワサプライのこんな商品です。

 ショルダーベルト付き10.1型タブレットPCケース
 ショルダーベルト付き10.1型タブレットPCケース(防塵・防滴タイプ)

が、かなり事務的な「おやじっぽい」感じですね。移動教室に限らず学校内でも屋外で使う用途はどんどん増えてくるでしょうから、子ども用のこういうネックストラップ付きのホルダーは、きっと需要が高まるのではないでしょうか。

立ったまま画面を見たり文字を入力したりするには、画板のように保持できると便利。そして、衝撃に強いと安心。まだまだ商品として出回っている量は少ないと思います。

発表にあった自作のホルダーの事例を見ると、家庭などでは安い材料で自分で工夫して作るのもたのしそうです。

前夜は充電もセッティングも大変!〜充電ブース&保管庫〜

この発表の中で、出発前夜の職員室の様子が紹介されました。先生の机の上に複数のタブレットを広げて、必要なアプリのセッティングや充電を、片っ端から行っています。10台以上になったら、もう、これ、かなり大変ですね。やっぱり、この手の設定や充電及び管理のことだけ考えてもICT支援員が学校に配置されることは大切だと思います。

先生方だけでやる場合、予想外に設定や充電、チェックに時間がかかるということを意識して時間を確保しておく必要がありそうです。

こんな作業の手間やごちゃごちゃを解消するのに役立ちそうなのが、複数タブレットの充電ブース&保管庫です。これ、昨年の「教育ITソリューションEXPO」で見て、なんだかかっこいいし絶対こういうのが必要になる! と注目していたのですが、この実践発表を見て確信しました。

エルゴトロンという会社の紹介ビデオ、2011年のものですが、「こんなに便利!」の状況がわかりやすいのでご紹介します。このビデオに出てくるように机上にざらーっとタブレットを広げて設定していたのが発表事例の現状。さらに、一台ずつ個別に設定しているようでした。

各タブレットの設定を一括で同期できるシステムと共に、こうした収納兼、充電に対応できるハードも大切になってくるでしょう。

最後に出てくるメッセージ「Teachers work hard enough. Help Them.」が印象的です。

エルゴトロンの教育ソリューション系のページはこちら。
エルゴトロン:教育

日本の会社も。ガイアエデュケーションというところがやはりタブレット収納カートを出しています。導入事例を見ると実際の使用イメージがわきます。
ガイアエデュケーション:Cubic series

複数のタブレットを運ぶには?〜複数保管キャリーバッグ〜

さて、もうひとつ、移動教室で使うためには、先生が現場まで複数のタブレットを安全に運ぶ必要がありました。これがなかなか大変なのです。

発表では、運ぶのに使おうとしていた大きなカゴ状の入れ物が、複数台いれたらたわんでしまい、段ボールで仕切りを作ったり工夫をこらして、安全に運べるようにアレンジした、とのことでした。これまた費用コストをかけずにさっとアレンジするところが学校らしくて大好きです。

……が、これも時間的コスト削減を優先するなら、こんなものもあります。

サンワサプライの10台まで保管して持ち運べるこんなバッグ。
らくらくタブレットPCキャリー

ケースで保護も重要

学校現場で大勢が使うようになると、どんなに気をつけても落下等の事故は防ぎきれないでしょう。

子ども用のタブレットケースはこういうケース然として、スタンドにも持ち運びにも便利、というタイプのものがあります。
iPad Air 2衝撃吸収ケース

落下に特化したこのiBallzという商品は、初めて見たときにとても面白い!と感じました。子どもに限らずヒヤリとすることはよくあります。ただ、ちょっと調べた限り、日本で正規販売代理店による正規品の販売は見つけられませんでした。

iBallz

こうしたケース類はかさばるので、ケースをつけたまま管理することを考えると、教育現場で大量に導入する時は、保管場所にタブレットが収まらなくならないか、等も合わせて気をつけた方がよさそうです。また、ぴったり収まるタイプのものは、機種によってケースも変わるので注意が必要です。

さて、ざっとタブレット関連周辺グッズを概観してみましたが、いかがでしたでしょうか? どれも製品自体が新しいわけではありませんが、学校現場に大量に入り始めるタイミングで、こうした周辺グッズの需要が高まってくるのではないでしょうか。

そして、費用面でコストをかけられない場合でも、自作の道具や工夫で快適さがアップする、というヒントを実践事例が教えてくれたことも忘れずにおきたいと思います。

狩野 さやか

株式会社Studio947のライター、ウェブデザイナー。技術書籍の他、学校のICT活用やプログラミング教育に関する記事を多数執筆している。著書に「デジタル世界の歩き方」(ほるぷ出版)、「ひらめき!プログラミングワールド」(小学館)、「見た目にこだわるJimdo入門」(技術評論社)ほか。翻訳・解説に「お話でわかるプログラミング」シリーズ(ほるぷ出版)。

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1件の返信

  1. 2015-06-04

    […] もともと、タブレットの保管庫&充電ブースで気になっていて立ち寄ったガイアエデュケーションですが、またもや大注目。応援したい気持ち満点です。 […]

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