パソコンを道具として使いこなす「情報活用能力」をつける機会に〜家庭でも1人1台時代へ

親のリモートワークと子どものオンライン授業などで家庭でのパソコンの存在感が増しています。家庭で1台シェアしていたのが、家族でも1人1台持っていないと日常がまわらないという事態も。そんないまどきの状況と、これからの学校が重視する「情報活用能力」、家庭でできることなどをインプレスの「こどもとIT」で書きました。

1人1台PC

学習のオンライン化でパソコンが注目される今だからこそ、パソコンを「勉強」の道具だと思って欲しくないと感じています。誰かが作ったコンテンツを消費するとか、与えられた学習をするとかの道具にだけしては駄目で、子どもが能動的な使い方をする芽をキャッチすることが大切です。調べたり作ったり書いたり描いたりいろいろな使い方をしたいですね。

日々支援策や細かいルールが変わる中、情報に到達できる力が、リアルに生きぬく力に直結していると実感する瞬間が多々あります。学校は子どもに「危ない情報に気をつけろ」ばかりを教えるのではなく、「自分を助けてくれる情報」があるライフラインだということを教えてあげて欲しいと思います。

情報をさっとふるいにかけて、信頼度を判定してより正確な情報にたどり着く最低限の知識とルールは小学生から教えられます。機械的に選別されて流れてくる情報に飛びつくばかりでは受け身の情報の消費になってしまいます。自分の力で大量に検索して、情報の発信者を確かめて、読みとり比較する練習が必要です。

家庭は、本当は狭い世界なのに、子どもにとってはほぼ全世界で、学校が休みだとそれがもっと強固なものになってしまっています。今、閉塞した家庭で苦しんでいる子が、もし、自分の力で信頼のおける情報に行き着く道を知っていたら、もしかしたら公的支援や信頼のおける団体の支援に自分で手を伸ばせたかもしれません。教育は、そういう力を子どもにつけてあげられる可能性があります。

そもそもなぜ教育現場のICT化が大切で、情報活用能力にどんな意味があるのか、改めて確認するよい機会にできれればと思います。

狩野 さやか

株式会社Studio947のライター、ウェブデザイナー。技術書籍の他、学校のICT活用やプログラミング教育に関する記事を多数執筆している。著書に「デジタル世界の歩き方」(ほるぷ出版)、「ひらめき!プログラミングワールド」(小学館)、「見た目にこだわるJimdo入門」(技術評論社)ほか。翻訳・解説に「お話でわかるプログラミング」シリーズ(ほるぷ出版)。

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