メディア・リテラシー教育にぴったり! Eテレの「メディアタイムズ」がおすすめ

最近、メディア・リテラシーに関する会合で話を聞いたり、自分自身が取材を受けたりという機会がたまたま続きました。

現在、確実で安全な情報から正解を見つけ出す練習は学校教育でたくさんしていますが、これから必要なのは、不確実で整理されていない大量の情報の中から、より確実な情報を見つけ出す力をつけることだと日々感じています。

その力をつけるためにまず簡単にできることとして、情報の出所を必ず確かめ、その確実さを判定する習慣をつけることがあります。これは、「家庭でできるメディア・リテラシー教育」という記事でも提案しました。
学校でも「インターネットで調べましょう」のひと言で済ませるのではなく、調べた情報が誰がどんな目的で出している情報なのかを、必ず確かめる指導をして欲しいと切実に思います。

発信者を確かめるのに加え、ネットに出てくる情報の仕組みや広告の仕組みなどを知っていると、情報の確実さを判断するのにとても役立ちます。ところがこの趣旨の教材は少なくて、リテラシーというとSNSトラブルやいじめ・犯罪防止など、防犯教育のような内容のものが目立ちます。
もっとプラスに「使いこなす」という視点で、情報の海に放り出される(すでに放たれている)子ども達が、自力で泳ぎ切り有用な情報にたどり着くための教育も必要です。

そんな中、ネットも含むメディアの知識や捉え方を考えるきっかけになる便利な教材があるのでご紹介します。
NHKのEテレの番組で「メディアタイムズ」です。

メディアタイムス(NHK Eテレ)

テレビの放映スケジュールで見られる人はあまりいないと思いますが、NHK for schoolのウェブサイトでいつでも見られます。1話は10分と短いのでとても手軽です。

子どものためだけでなく、大人だから知っているとは限らないことばかりですから、親子で一緒に気軽に見るのがおすすめです。
番組は、べき論で正解らしい答えを示すのではなく、「あなたならどう考えますか?」という問いを具体的にわかりやすい言葉で問いかけて終わるので、親子で話をするにも教室でディスカッションするのにもちょうどよいきっかけになります。

情報と自分の距離感を作って自分の判断基準を作っていくのには、道を示して教えればすぐにわかるというものでもなく時間がかかるもの。指標になる知識をつけながら、まずは情報を受け止める時に立ち止まって確認することを繰り返して習慣にすることから始めるのはいかがでしょうか?

狩野 さやか

株式会社Studio947のライター、ウェブデザイナー。技術書籍の他、学校のICT活用やプログラミング教育に関する記事を多数執筆している。著書に「デジタル世界の歩き方」(ほるぷ出版)、「ひらめき!プログラミングワールド」(小学館)、「見た目にこだわるJimdo入門」(技術評論社)ほか。翻訳・解説に「お話でわかるプログラミング」シリーズ(ほるぷ出版)。

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