『BIRD』『ワイード』『FABOOL Laser Mini』〜教育ITソリューションEXPOレポート[ハード編]
2016年5月18日〜20日の3日間、東京ビックサイトにて第7回教育ITソリューションEXPOが開催されました。
今回、一番面白かったのは、メイン会場とは別会場でやっていた「学びNEXT」のコーナー。以前ご紹介したアーテックのブロック+Studuinoで作るロボット工作&プログラミングのタイプのものが一気に増えた印象でした。これについては詳細改めてレポートしたいと思います。( ロボットプログラミング教材7種一挙紹介!!〜Makeblock、Robotami、KOOV他)
日本の誰でも知っている大きな会社が出しているものは、基本的に、ハード系のソリューションか、教科書準拠の手堅いソフト系のものが中心で、ここは目新しい感じはなさそうなので、何か他に面白いものは……と歩き回ってみました。今回はハード編として3つご紹介します。
まるでマジック?離れた場所から画面を操作
こちら、「BIRD」というツール。プロジェクタで投影したパソコン画面を、離れた場所から手を動かして操作できるのです。小さなデバイスを指にはめて、手を動かしたり親指で挟むようにタッチしたりサイドに触れたりすることで、パソコン作業ができるようになっています。
特定のソフトしか操作できないのはなく、何でも大丈夫。例えばGoogle Earthを操作するといかにも遠隔操作している感じでダイナミック。ゲームのデモではFRUIT NINJAをやっていましたが、果物をバサバサと切る動作を、本当に手を空中で動かしてやるのがぴったりで、ダイナミックな面白さが出ていました。
ちなみに、スクリーンの画面を直接触っても反応するので、画面に触れて電子黒板風に使うこともできますし、そのまま離れて遠隔操作するのもどちらでも大丈夫です。
指につけるツールの他に、投映したスクリーンの正面に小さなセンサーを設置するのが必要で、この場所が確保できれば簡単に使用できます。センサーはUSBから給電できればいいとのこと。デモでは正面に配置してあるプロジェクターにさして配置していました。
イスラエルのMUV Interactive社の製品で、日本での販売代理店はシリコンテクノロジー社で、49,800円(税抜)。現在はWindowsにしか対応していませんが、今後Macにも対応予定とのこと。
「BIRD」MUV Interactive
シリコンテクノロジーのBIRDに関するページ
黒板にワイドに投映!なんだか迫力はあるぞ!
こちらは、以前ご紹介した黒板用投映アプリ「Kocri」の販売元でもあるSakawa(KocriはSakawaとカヤック)が発売した新しいプロジェクタ。Kokuriに人だかりができている奥の方でひっそり、いえいえ 、ドーンと紹介されてしました。
黒板の広さそのままに「ウルトラワイド」な画像を投映できてしまうというこちらのプロジェクタ。なんとなく迫力があります。実際に、パノラマ画像のようなワイドなものを投映したいシーンというのはあまりイメージがわかないところではありますが、ワイドサイズで表示できることよりは、「ワイドな出力範囲であること」の方が魅力になりそうです。
黒板全体に投映可能だと、はじめ中央に映して説明していた画面を、表示したまますっとサイドに移動させ、中央では板書を始める、なんて使い方ができます。板書と投影のシームレスな使い方がうんとしやすくなりそうです。
インタラクティブペンが付属していて、投映した画面をペンで触れば、そのままパソコン操作ができます。こういうレベルの電子黒板化が当たり前のようにできるのが今どきのプロジェクタらしさ。黒板メーカーの新しい挑戦が続いている印象です。
やっぱりリアルなものの加工は心が踊る
最後にご紹介するのがこちら「FABOOL Laser Mini」というレーザー加工機です。
様々な素材をレーザーで切断or刻印できます。手持ちの木や皮や金属製品に好きな絵や文字を刻印するだけでもとてもおしゃれに仕立てられるし、楽しめそう。非常に細かい紙細工の加工や、木工細工のために薄い板を加工して切り出す、また、お菓子など食べ物に刻印したり……と、使い方は広がります。
通常レーザー加工機なんてものは、工場の設備のイメージしかありませんが、これが、個人レベルで導入できるサイズと値段なのがすごいのです。なんとパーツが届いて自分で組み立てて作ることになっていて、1時間程度で組み上がるとのこと。そして、59,800円(税別)。クラウドファンディングでの反響もものすごく大きく、目標金額をはるかに越える支援(購入)が集まっています。
元データはSVGで良いとのことなので、とても簡単。illustratorなどのグラフィックソフトを扱う人ならば簡単に用意できるデータです。
今はこうしたツールを使えるFablabのようなところも増えてきましたが、もっと手軽に自分の手の届くところで試したい人にとってはとても魅力的です。手の届くツールが手の届く技術で使えることは、ものづくりの楽しさをぐーんと広げてくれます。
個人レベルの小さな工房や、シェアドオフィスの設備としての導入などはもちろんのこと、高校生くらいからならば学校のクラブ、大学生ならサークルなどで導入する使い道もありそうです。
以上、まずは今回ハードで目に付いたもののレポートでした。
ソフト編と、ロボットプログラミング系、後日またレポートをしたいと思います。
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[…] 前回のハード編、そして、次回はロボット工作&プログラミング編を予定していますが、今回はソフト編として、ふたつのコミュニケーション系ツールをご紹介します。 […]