子どもとロボット作り&プログラミングを楽しめるStuduinoに注目!〜試作公開中


今年5月の教育ITソリューションEXPOでこんなロボット達に出会いました。これ、自分で本体を作って機能をプログラミングできるのです。

子どもとロボット作り&プログラミングを楽しめるStuduinoに注目!

作ったものが画面の中で完結せずにリアルに動かせるというのはかなりワクワクします。これはかなり面白い!と、大注目。その後夏には、子ども向けワークショップでもこれを教材にしているものをだいぶ見かけるようになりました。子ども向けプログラミングはこれまでにも紹介しましたが、画面内で完結してしまいます。これはリアルな物体を動かせるところが大きく違います。

子どもが乗り物やロボットを作ってプログラミングするというと、LEGOのマインドストームが有名ですが、こちらのロボットキットを出しているArtec(アーテック)は日本の会社、是非応援したいところです。

実際にキットを購入して試してみたので、基本的に、どんな手順で何と何を使って作っていくのか、を簡単に解説していきましょう。

形はブロックで作る

本体はArtec社のブロックで作っていきます。これはもう、なんの電子的しかけもないプラスチックのキューブ状の形が中心のブロックです。

子どもとロボット作り&プログラミングを楽しめるStuduinoに注目!

基板「Studuino」がえらい!

ロボットの頭脳になるのがこの基板部分。同じくArtec社のStuduinoという基板です。これ自体がブロックに組み合わせられるようになっているので、好きな場所に組み込んで全体の形を作っていけます。

これは必ず使うので、ロボットの一部にするならこれにタイヤをつけたりこれを土台にしたりと安定する工夫をするといいでしょう。この写真は、黒い電池ボックスと手前にサーボモーターが接続している状態です。

子どもとロボット作り&プログラミングを楽しめるStuduinoに注目!

通常「基板」と聞いて思い受かべるのはおそらくこちらでしょう。

これはArduinoの基板

これは大人向けの電子工作パーツのArduinoの基板です。このペラペラな基板を子どもが触ったらいっぺんで壊しそうです。このペラペラ基板がプラスチックで覆われ、電池ボックスを乗せるエリアとブロックで拡張できる土台が一体化しているのが、最大の特徴で、Studuinoのえらいところです。(ちなみにStuduinoはArduinoをベースに設計されているので互換性があります。)

電子パーツで機能を足して引いて……

そして、LED、ブザー、モーター、音センサー、赤外線センサーなどの電子パーツたちをつけていきます。これらもやっぱりブロック仕様。だから好きな場所に付けたり外したりが簡単です。この気軽な可逆性がまた大いなるプラスです。これらの電子パーツにはそれぞれ機能があって、センサーは⚪︎⚪︎に反応したら、の入力系。LEDやブザーは光や音を出す出力系。モーターは駆動でDCモーターを使えばタイヤを簡単につけられます。

子どもとロボット作り&プログラミングを楽しめるStuduinoに注目!

あとは、基板に電子パーツから伸びるコードを配線し、ブロックで形を仕上げます。パーツとStuduinoを接続するコードは細く端子も小さいので、手先の力の入れ具合などちょっとコツが必要です。

ここまでの作業で、本体は完成。

プログラミングの準備

しかし、これだけではまだ何も動きません。
次は、この本体に指令を与えるべく、プログラミングをしていきます。
プログラミング自体はパソコン上で専用ソフトで行います。作成したプログラムをロボットに転送してあげて初めて、ロボットが単体で動けるようになるのです。

まずはパソコンに、このロボット用のプログラミングできる環境を作ります。
参照すべきページはこちら

基本的に、
1.USBデバイスドライバ(基板とパソコンをつないでプログラムを転送するために必要なもの)
2.Studuinoソフトウェア(パソコンでロボット用のプログラミングをするソフト)

を、マシン環境にあわせてダウンロードしてインストールすれば大丈夫ですが、説明ウェブページの表記がもっとすっきりすると、わかりやすいのに……、とここは一番残念なところ。

プログラミングはScratch由来のブロックタイプ

プログラミングに使う「Studuinoソフトウェア」には、ブロックタイプと、アイコンタイプがありますが、アイコンタイプは現時点ではWindowsでしか使用できません。

ブロックタイプのプログラミング環境はこんな画面です。Scratchをベースに作られているのでほぼ同じですが、電子パーツの制御をするための仕組みが入っています。

子どもとロボット作り&プログラミングを楽しめるStuduinoに注目!

プログラミングの仕方はここでは解説しませんが、ロボットがどうしたらどう動くのか、このソフト上でプグラムを作っていきます。完成したプログラムはUSBケーブルでパソコンにつないだロボット本体(Studuino基板)に、パソコンから転送します。期待通りに動いてくれればOK。コードをはずしてロボット単体で楽しめます。

まずは簡単なものから、がおすすめ

プログラミングの仕方を含め、ロボットの組み立て例の設計/説明書がウェブ上にPDFで公開され、完成プログラムファイルもダウンロードできます。Studuinoとブロックのキットは主に「Robotist」という名前で各種セットが販売されているので、購入を検討するときに、作例を見てどのパーツがあると何を作れるかをチェックするのにも使えます。
Robotist各種作例集「T-REXキット」作例集「動くブロックセット」作例集

作例を見るとすごいロボットをいきなり作りたくなるのですが、まずはごくシンプルで簡単そうなものから作るのがおすすめです。動かない場合に原因が見つけやすいので、パーツ単体の動作テストからはじめて、少しずつ複雑にしていくぐらいでも良いでしょう。

洗練されきってない感じが、たぶん、いい

LEGOのマインドストームに比べたら洗練されていなくて、扱い方も含め「材料感」満点な感じではありますが、費用的にも断然手が届きやすく、この無骨さがまたいい、とも考えれらます。Studuino基板のプラスチックカバーが半透明で中が透けて見えるのも、おそらく、扱っているものを隠さずわざと見えるようにしているのではないでしょうか。

ただし、家庭/一般向けと考えるとドキュメントの整い方が微妙な上、見つけづらいなど、ユーザーフレンドリーでない点が気になります。
・パソコンのセットアップ
・必要なマニュアルをウェブ上で探し出す
というあたりでいきなりつまづきやすいので、このあたり、Artecにはもうちょっと頑張って欲しいところです。学校教材の会社ということなので、一般家庭向け販売を本気で考えるなら、ぜひ、ここは強力なブラッシュアップが必要だと思います。

家庭で楽しむには大人が一緒に

家庭でスタートするには、ちょっと敷居が高い面もあるのも事実です。大人がパソコンもプログラミングも触りたくもない!という場合はちょっとおすすめできません。家族にこの種のことが好きな人がいて、子どもと一緒に楽しむという入り口が必要でしょう。パソコンのセットアップ等はもちろんですが、「ロボットがいざ動かない」ときの原因を一緒に探したり、本や見本を一緒に見ながら、どういうプログラミングでどう動くか、を一緒に試す過程に大人が関わることが必須です。

でも、ある程度軌道にのれば、子どもが「勝手に」やるようになり、困ったときにサポートする、というフェーズになってくると思います。

実のところ、セットアップ済みのパソコンでテスト済みのパーツを使って、設計図通りに組み立てマニュアル通りのプログラミングをして……というのは、子どもだけでもできて「簡単」です。最初の部分をとりあえず親が全部お膳立てをしてあげて、「簡単に作れる」ところからスタートできるようにしてあげれば、スムーズに入っていけるでしょう。

ただし、設計図通り作るだけで終わったら、本質ではないはずです。その先「もっとこうしたい!」に子どもの心がつながった時に、さっと見えないサポートやプログラミングのヒントを大人がしてあげられた方が、断然面白く活用できるツールです。

手本通り組みた立てるならロボットだろうと工作だろうと創造性は乏しい

単発ワークショップなどでは、どうしても、「見本の手順通りにブロックで本体を作って、プログラムもサンプル通りに作って、転送して、はいできあがり!すごいね!」という経験をするだけになってしまいがちです。

たくさんの人数に限られた時間で「体験」してもらうのが目的の場合は仕方ないのですが、「ものづくり」とか「仕組みを探求する」という視点でいくと、どうもワクワクしない。「工作キットを組み立てるだけ」と同じで、いまいち創る醍醐味がありません。

ロボットに限らず工作でもなんでも、子ども向けのワークショップの一部は、これに陥っているケースによく遭遇します。「与えられた材料できまり通りに作る」では「やった気になる」だけで終わってしまいます。

もっと、「動かしたいものを動かす」という動機付けや「そのためのカラクリを考える」という思考のステップを体験させるには、どうしたらいいかを考えなければいけません。

「ロボットをプログラミングして動かせる教材を使いさえすれば、プログラミングがわかり創造力も育まれる……のでは『ない』」というところからスタートして、取り組みたいところです。

複雑な教材であればあるほど、ステップを追うことに終始しがちです。せっかく面白い教材なのだから、どこを子どもの作業として省略し、どういうステップでテーマを投げかけ、作りたい気持ちを引き出し、作業に落としこむか。そういう工夫を年齢やレベルに合わせてできたら、面白い活用ができそうです。

最後に試作をご紹介

家庭であれば一対一の間合いで出来るので、そんな工夫もしやすいはず。ぜひ、こんな電子工作にが好きなお父さんお母さんは、お子さんと一緒にチャレンジしてみてください。

最後に作例をご紹介。音声に反応して動き出しい音声に反応して止まるお掃除ロボット。我が家のルンバです。こちらの本「スタディーノではじめる うきうきロボットプログラミング」を参考にして子どもが作ったものを、プログラムは親と協力しあって改変しています。

プログラムを変えると機能が変わるのを一歩ずつリアルに確かめられるのが何よりわかりやすくて面白いです。

この「掃除機」も、(1)電源を入れたら前に進むだけ→(2)手をたたいたら前に進んで自動で止まる→(3)本にのっていた障害物検知に挑戦→(4)複雑になるのでやっぱりやめる→(5)手をたたいたら前に進んでもう一回たたいたら止まる……と変遷しました。

アーテックのStuduino・ブロック・電子パーツのセットは、AmazonでRobotistで検索すると、安価なセットから、オールインワンセットまでいろいろ出てきますので興味を持った方は参考にしてみてください。単体パーツも追加購入できます。
Robotist各種

学校教材としても、家庭での楽しみとして、うんと可能性を秘めた面白いツールであることは確かです。大いに注目していきたいと思います。


狩野 さやか

株式会社Studio947のデザイナー、ライター。ウェブやアプリのデザインを中心に制作全般担当。「ICT toolbox」運営責任として、特に家庭や学校現場でのアイディアや取り組みに注目している。子育て分野では他メディアにコラムを寄稿し、「patomato-ふたりは同時に親になる」を主宰してワークショップ等を行っている。

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2 Responses

  1. 2016-05-23

    […] たのは、メイン会場とは別会場でやっていた「学びNEXT」のコーナー。以前ご紹介したアーテックのブロック+Studuinoで作るロボット工作&プログラミングのタイプのものが一気に増え […]

  2. 2016-07-21

    […] […]

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