(カニはもらえないけれど)コンピュータークラブハウスの運営を直接サポート!〜新しいふるさと納税のカタチ

カニなどの返礼品のイメージが強い「ふるさと納税」ですが、クラウドファンディングがあるご存じでしょうか。

「ふるさと納税」というと、特に応援したい理由がある自治体ではなくても返礼品に惹かれてとりあえず納税し、結局その税金の用途もその自治体の行政にも関心が持てない……という状況の方が多いかもしれません。その点、クラウドファンディング式のふるさと納税は、ターゲットに直接的に資金サポートできるのが特徴的です。

石川県の加賀市が、特定非営利活動法人みんなのコードのサポートを受けて運営している「コンピュータークラブハウス」は、ちょうど1年前に募集していたふるさと納税クラウドファンディングによる資金で今年誕生しました。まるで図書館のようにして、子ども達が気軽にコンピューターを利用できる場が「コンピュータークラブハウス」です。

この「コンピュータークラブハウス」の運営資金を得るために、今年もクラウドファンディングが行われています。

【第2弾】すべての子どもたちに、テクノロジーを通した自己実現ができる環境を提供したい!

加賀市でこの動きが始まった経緯は今年初めにインプレスに書いた「子どもとIT」の記事をご参照ください。
「子ども達がテクノロジーに親しめる場を作りたい!」加賀市がふるさと納税クラウドファンディングに挑戦中――加賀市宮元市長・みんなのコード利根川代表インタビュー

ふるさと納税について、「税金が減る」というイメージだけを持っている方もいるかもしれませんが、もともと、今自分が住んでいる市区町村に納めるべき住民税の一部を、代わりに自分が支援したい市区町村への寄付にまわすことができる仕組みとして生まれた制度です(総務省 ふるさと納税ポータルサイト「よくわかる!ふるさと納税」参照)。

自分が支援したい市区町村を選んで寄付(ふるさと納税)をすると、その額に応じて、所得税と住民税が控除されます。通常の寄付金控除とは違う基準で控除額が決まり、寄付額そのものに近い税控除が受けられるようになっています。控除額は個人の諸条件によって異なるので、ルールを確認してシミュレーターなどを利用すると便利です。

なお、2019年分の実績として処理したい場合は年内にふるさと納税の実行が必要ですが、クラウドファンディグ自体は2020年2月17日まで行われていますので、年が明けてからゆっくり手続きをしても、来年の分として処理できます。

自分が住んでいるの自治体への納税額を減らしてわざわざ他の自治体にお金をまわすわけなので、こうして用途が明確なサポートは、本当の意味で応援の実感がもてるのではないでしょうか。

狩野 さやか

株式会社Studio947のライター、ウェブデザイナー。技術書籍の他、学校のICT活用やプログラミング教育に関する記事を多数執筆している。著書に「デジタル世界の歩き方」(ほるぷ出版)、「ひらめき!プログラミングワールド」(小学館)、「見た目にこだわるJimdo入門」(技術評論社)ほか。翻訳・解説に「お話でわかるプログラミング」シリーズ(ほるぷ出版)。

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