順次、選択、反復のアルゴリズムがわかる絵本〜「プログラミングを学ぶ前に読むアルゴリズムえほん」第3巻登場
第2巻のご紹介をしたばかりのところですが、「プログラミングを学ぶ前に読むアルゴリズムえほん」(フレーベル館)の第3巻「フローチャートで、みらいをえがけ!」が出ました!早速ご紹介します。第1巻、第2巻の情報とあわせてご覧ください。
第二巻で早速「ソート(並べ替え)」と「検索」を扱いいきなりディープになった感じのこの絵本シリーズですが、第三巻ではフローチャートでアルゴリズムを図式化することを扱います。
手順はアルゴリズム
よく料理のレシピや、音楽を記した楽譜などもアルゴリズムだ、と説明に使われることがあります。「肉じゃが」という目的を達成するための手順や、「エリーゼのために」という曲を弾くための手順は、レシピや楽譜という独自の形式で記述されていて、それ自体がアルゴリズムだ、というわけです。
プログラミングというのは、何か目的を達成するための手順をコンピューターにわかるように指示するための手順書のようなものです。プログラミング独自の形式やルールでいくつもの小さな処理を大量に複雑に組み合わせて記述し、全体としては複雑な処理をさせます。ただ、そのプログラムを徹底的に分解していくと、ひとつひとつのステップはとても小さく処理のパターンも代表的なものに集約されます。そのもっとも単純で基本になるパターンをこの本では説明しています。
論理的にも視覚的にも理解しやすいように、フローチャートで手順を示すことをします。手順をフローチャート化すること自体が、実はその目的を実現するためのアルゴリズムを組み立てていることになり、それは「プログラミングをする」ということでもあるわけです。
手順をフローチャート化する
まずは野菜を育てるための手順をフローチャートで検討します。
もっとも基本の順次構造、そして反復構造(ループ)、選択構造(条件分岐)まで扱い、手順をフローチャート化します。
指示をフローチャート化する
次は同じことを発想を変え、手順をフロー化するのではなく、ロボットにして欲しいことをフロー化してみるという、より能動的な視点になります。扱う論理構造は同じでも、アプローチの態度や姿勢に大きな違いがあり、感覚としてはこれこそまさにプログラミングをしている感じです。
フローチャートから、スクラッチなどでおなじみのブロックプログラミングをイメージさせるインターフェースに発展させています。
残りの第4巻にも期待
これで3巻がそろいました。第4巻は3月に出る予定で、こちらはこれまで登場したコンセプトやアルゴリズムを使ったゲームブックになる予定とのこと。楽しみです。
第1巻の入門的なライトさに比べると第2巻、第3巻はぎゅっと凝縮した内容がそれぞれ入っています。でもページが多いとか文字が多いとかそういうことは決してありません。
国語的な論理構造でイメージしやすいのが第3巻のアルゴリズムの基本形で、第2巻の方が法則とかカラクリのような要素があるので、低年齢だと少し理解しづらいかもしれません。その意味で、もしかすると2巻と3巻は逆でもよかったかな、と思うところはあります。
第1巻をさらっと読んだら、2巻と3巻はどちらから読んでも構わないでしょう。導入に使うケースが多いでしょうから、そのあとの学びに関連する方を利用するということで良いと思います。
第1巻「アイデアはひとつじゃない!〜アルゴリズムってこいうもの」<9月既刊>
第2巻「ならべかえたりさがしたり!〜よく使うアルゴリズム」<12月既刊>
第3巻「フローチャートでみらいをえがけ!〜アルゴリズムのきほんの形」<1月既刊>
第4巻「あそべるアルゴリズム!!」3月発売予定
こちらも巻末には、監修の松田孝先生(小金井市立前原小学校校長)による、先生向けのページがついています。