AppleがWWDC 2016で子ども向けプログラミング学習ツールを発表!〜Swift Playgrounds

6/13からサンフランシスコで始まったWWDC 2016でAppleが子ども向けのプログラミング学習ツールを発表しました。その名も「Swift Playgrounds」。

ついにAppleから!

SwiftというのはiPhoneやiPad用のiOSアプリを作るときに使うプログラミング言語です。「本物のリアルなSwiftのコードを、ものすごく楽しくシンプルに学習できる」というのが、このSwift Playgroundsのコンセプト。

iPad上で使えるアプリとして今年秋には無料でApp storeでの提供が始まります。

Swift Playgrounds(Apple)
swift playgrounds

アップルのウェブサイトhttp://www.apple.com/swift/playgrounds/の画面キャプチャーを使用

Swiftの基礎が学べるレッスンでは、自分で組んだプログラムで楽しげなキャラクターを動かし宝石を集めるなどのミッションをクリアさせます。他にもたくさんのレッスンが用意され随時追加されていくそうです。

Scratchと違いプログラムコードそのものを扱う

子ども向けのプログラミング言語としてはScratchが有名ですが、これは命令ブロックを積んでプログラムをつくっていくもので、リアルなプログラムコードの文字列を書くわけではありません。文字列をタイプしないで良いので敷居が低いメリットがあります。日本語版のScratchなら、ブロックに書いてある命令が日本語なので、英語が読めない子どもでも取り組めます。

当然Scratchも、本当は見えないところで文字列のコードが書かれているわけなのですが、それは見ないで済むようになっています。

それに対して、Swift Playgroundsは、プログラミングコードの文字列を隠しません。直接さわって文字列で書かれたコードそのものを作っていきます。

プログラミング側をScratchのようにビジュアル化せず、Swiftというプログラミング言語の記述に実際に接しながら、楽しいミッションをクリアするゲームやパズル感覚のレッスンに挑むわけです。

極力タイプしなくていい操作性

コードをリアルに書くとはいえ、実際には極力コードをタイプしなくていいようにできています。適宜最低限の選択肢やヒント、カスタマイズされたキーボードが出現して、ほとんどタイプしている感覚なくコードがどんどんできていく印象です。

タイプする手間やタイプミスの可能性を徹底的に排除することで敷居は下がります。仮に、ほとんど選ぶだけでコードが出来上がったとしても、目の前でプログラムのコードができていくわけですから、だんだんに見慣れてコードとやりたいことの関係性がわかってきそうです。

難しいことをやるための操作を簡単にする、というこの辺のインターフェースがさすがです。

コードの文字列に慣れるべき段階もある

プログラミングのコードは、アルファベットで記述されるので、特に日本の子どもがやるには、英語圏の子どもがやるよりも敷居が高いでしょう。ただ、アルファベットさえわかれば、文字列を記号だと捉えて英語力とは関係なく取り組むことができそうです。何より楽しいミッションをクリアするという工夫はモチベーションにつながります。

プログラムコードを見ないでコンセプトを学べるツールやステップが子どもたちの入り口として大切であるのと同様、もっと踏み込んで、プログラムのコードの書き方自体を学ぶことが必要になる段階もあります。

プログラムの文字列に慣れ親しみながら、Swiftを楽しく学べるこのSwift Playgrounds、秋が楽しみです!

狩野 さやか

株式会社Studio947のライター、ウェブデザイナー。技術書籍の他、学校のICT活用やプログラミング教育に関する記事を多数執筆している。著書に「デジタル世界の歩き方」(ほるぷ出版)、「ひらめき!プログラミングワールド」(小学館)、「見た目にこだわるJimdo入門」(技術評論社)ほか。翻訳・解説に「お話でわかるプログラミング」シリーズ(ほるぷ出版)。

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1件の返信

  1. 2016-09-20

    […] ICT toolboxで6月に紹介した記事 […]

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