夏休みの自由研究にもまだ間に合う!ー「スマホde顕微鏡」で気軽に観察
子どもはおもちゃが好きなのと同じくらい、「本物っぽいもの」も、大好きです。大人が使う専門性の高そうなものほど、なんだか格好よく見えるもの。
最近、漫画の伝記で野口英世を知った息子が、顕微鏡にちょっぴり興味を持った様子。そうです、野口英世といえば横に顕微鏡が描かれているのが常。研究者のマストアイテムのような格好よさがあります。
親としては、こういう好奇心を満たすものならおもちゃより断然いいなぁと、つい買ってあげたくなりがちです。しかし、顕微鏡は精密機器。小学生の頃理科室でもかなりスペシャルな扱いを受けていたのを思い出します。「レンズを触るなー」「プレパラートにかぶせるカバーガラス割るなよー」と先生が言っている先からプチっと割れるカバーガラス……。デリケートです。そしてやっぱり高価。さらに天体望遠鏡並みに「オブジェ化」してしまう不安が99%。
もっと気軽に楽しめないものかなぁ、と思って見つけたのがこちら。「スマホde顕微鏡」(学研ステイフル)です。
プラスチック製で軽量の本体。電池を入れてライトをオンにしたら、本体のレンズ位置とスマートフォンのカメラ位置を合わせてセットします。セットというより、上にスマホを置くだけ。スマホ側はカメラモードにするだけで、アプリも不要です。このカメラ画面に観察したものがそのまま表示されるわけです。
プレパラートもプラスチックなので極めて気軽です。カバーガラスなんて始めからありません。
レンズは3種類の倍率があります。どれがいいかは、もう、見るもの次第。あまり深く考えずに次々取り替えてみるのがよいでしょう。サイドのダイヤルを回して高さを調節しピントが合う場所を探す、ただそれだけです。
早速観察!
早速いろいろ見てみました。
上段左より、砂糖、塩(精製塩は粒がカクカク)、きゅうり、海苔(意外ときれい)、タバスコ(辛そうなツブツブが…)、しらす。
精度が……、というご意見はいろいろあるでしょうが、これくらいには見えます。
「スマホの機能そのまま」の簡単さ
なんといっても決定的に優れているのが、見えたものの写真を撮れること。スマホのカメラ機能を利用しているだけなので、そのまま撮影ができてとても直感的です。PCにつなぐなどの面倒もありません。
普通顕微鏡といえば、子どもは見えたものをスケッチするのが常。このミクロの世界の画像データを、ごく簡単に手に入れられるのはけっこうすごいことなのです。
撮影した写真をプリントして、定番の観察記録を作ったり、顕微鏡撮影の写真だけを素材にコラージュ作品を作ってみたり、いくらでも自由研究のアイディアがわいてきそうです。
そして、スマホですから動画も簡単に撮影できることを忘れてはいけません。
カルピスで乳酸菌が見えるらしい、との情報を得て、動いたらこれは面白そう、と期間限定メロンカルピスで試しましたが、残念ながら観察失敗。おそらくこれはメロン味のせいではなく、特別な準備/倍率/精度等、何かが足りない、ということでしょう。
生きているしらすを観察したらきっとダイナミックな映像が撮影できると思います。
おそらくあと何年かすれば、夏休みの自由研究をデジタルデータで持参するのも当たり前になり始めるでしょう。こんなミクロの観察動画はとても面白い素材になりそうです。
ライト部分をはずして照明代わりにサイドに置き、透過しないものを観察することも可能です。指を観察して指紋の撮影をするだけでも、小さな子どもにはとても新鮮な体験になり楽しめます。
幼いうちは片目で望遠鏡を覗くような見方はとても苦手ですから、スマホの画面で家族で一緒に見られるというのも利点です。
機器の「気軽さ」が子どもと楽しめる最大のメリット
何よりも一番のメリットだと思ったのは、このツールの「気軽さ」です。本体はプラスチックでレンズの精度もそこそこな感じなので、気負わなくていい。小さな子どもと一緒になにかするとき、親というのは、とやかく口を出したくなるもの。高価な機器など扱っていたらピリピリしてしまい、楽しさが激減します。
その点、この「スマホde顕微鏡!」は、気軽さ満点なので、「まぁいっか」と思える要素満載。我が家でも子どもがレンズを下げすぎてしらすが挟まってつぶれるなどしましたが、ささっと拭いて、解決です。
スマートフォンというICTツールにちょっと機能拡張的アイディアを加えただけのびっくりするほどシンプルなこの装置。顕微鏡というどこか厳かで敷居の高い機器を気軽な領域に連れ出してくれました。